JR脱線事故、定刻ダイヤの観点から
実際、電車の到着が2分遅れた程度でもイライラする人だっていますし(私もその一人です)、場合によっては駅員に食って掛かる人だっています。遅れの原因がオーバーランによるロスといった鉄道会社側が原因のものではなく、駆け込み乗車による安全確認のための遅れであっても。今の日本の社会において、仮に頻繁に「列車の安全点検のため、予定より20分遅れで到着しましたが、ご了承ください」とかなって会社に遅刻になったとしても、それで許されるなんてとても思えません。基本は定刻どおりに走ってくれているから、学校や会社に遅刻しない時間で設定して家を出発できるわけです。
定刻ダイヤで走ることは何の問題もない、むしろ誇れることだと思います。問題なのは、その時刻設定に多少の無理が生じているがために、ちょっと遅れると定刻ダイヤを取り戻せないようなダイヤになっていることです。特に快速、新快速クラスの列車は、速達性やスピードを売りにしていることもあり、時間的、速度的に限界まで詰めたようなダイヤになっているのは気になりました。
また、慢性的に遅れているような路線では、たまに駅到着時の場内アナウンスで「列車が遅れております。乗り降りは早くお願いします」のような感じのことを言われるときがあります。このアナウンスは正直あんまり気分の良いものではなく、「(利用客の多い駅での)乗り降りの時間を考慮してないから、毎回遅れるんじゃないのか」とつい思ってしまいます。
定刻時間にもうちょっとバッファ(ゆとり)を持たせておけば、少し遅れても、定刻に間に合うように運転できるかと思います。移動時間が多少かかることになりますが、あらかじめ時間が分かっていれば、それに合わせるように生活を変えるだけですから、毎回到着時間がいつになるかわからなくなるよりかは、ずっとマシだと思います。
実際問題、現実的には出来ないでしょうけど、JR西日本だけでなく、鉄道会社をはじめとした交通関連の全種、さらには社会全体も、せめて今回の事故から、何かしらの教訓を得なければいけないと思います。でなければ、こんな事故によって亡くなられた犠牲者の方が浮かばれません。